春の魚
窓辺に差し込む朝日も随分と早くなってきました。
しかも、 やわらかで暖かいんだから~♪♪
確実に春の訪れを実感します。
襟立ててちじこまっていたのも、今やちょっと周りを見渡す余裕があります。
ほら!田畑には土筆や菜花が・・・力強く芽吹いています。
自然とは大したもんです。それを人は感じ取り季節を感じます。
にっぽん人でよかったぁ~ 本当にそう思います。
さて、今日は高知の鰆が入荷したので何にしようかと考えています。
三枚卸にして片身で約1000gも有ります。身ぶりもいい良品です。
生で口に入れてトロリと脂を感じます。晩秋から冬の脂たっぷりの鰆からすると、あっさりかな?
それは白みそに漬けて西京焼きにすれば絶品です。春の鰆は刺し物がよろしいかと・・・・
さっぱりと割り醤油や生姜ポン酢で頂くのが馳走かと思います。
それで、「生鮨」にしました。
ガッツリと粗塩をふります。 「べた塩」といいます。
表面真っ白で辛そう~・・・
でも、これ位にしないと青背魚の癖がとれません。この辺は青背魚に共通した下処理です。
酢〆と言いますが、本当は酢で漬ける時間は全体からしたら僅かです。
この塩漬けが肝と思います。抜き板と呼ばれる檜のまな板のようなものに並べて斜めにしておくと
時間と共に魚から臭みの元といえる体液が流れてきます。
これを、除かないと口に入れた時に生臭みを感じる原因になります。
その後に昆布たっぷりの割り酢に漬けます。これが酢〆に当たります。
漬けすぎると、本来の刺し身感から、酢の胸焼け感に変わるから注意かと思います。
鯵や鯖と違って鰆は引っ張れば剥ける皮がないもので皮目が口に残ります。
それで残らないようにバーナーで皮目を炙ります。
これで香ばしくなりますし、皮と身の間の脂も出てきて旨味を感じます。
昨今話題のDHAやEPA青背魚本来の美味しさをもう一度再認識してもらいたく思います。
健康のためには白身よりは青背魚です。
写真用にさっと切りつけて盛りました。妻物を添えていませんので地味です。
お客様用にはちゃんとお化粧をして提供します。
キッチン 岡